障害年金

障害年金は、国民年金法が指定する障害の状態になった場合に支給され、その障害の状態が軽くなったり、治った場合は原則として受給権が消滅してしまうものです。

また、障害年金の「認定」は請求してみないことには、お客様が受給できるかどうかの判断ができないので、請求後にしかわかりません。

障害年金で重要になるのは、その障害に関わる診断の中の初診日がいつになるかです。

その初診日から原則として1年6ヶ月後に障害の状態を判断し、国民年金法が定める障害の状態にあれば「障害」と認定されます。

そして、認定された日が受給権の発生日となるため、認定されて始めて、受給権が発生します。


障害年金は、その障害の原因となった病気やケガについての初診日の時点でどの年金制度に加入していたかによって申請できる障害年金種類が異なります

※初診日とは、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日です。


1.障害基礎年金

障害基礎年金は、自営業者や専業主婦、学生などが加入する国民年金の期間中、病気やケガによって障害の状態になった場合(初診日があることが条件)に受給できる年金です。

以下のような場合にこの年金をもらえます。

初診日において、自営業者や専業主婦、学生等が加入する国民年金であった場合

年金に未加入であった20歳前の病気やケガにより障害の状態になった場合

国民年金に加入したことのある人で、60歳~65歳未満の間に初診日のある病気やケガで障害の状態になった場合


2.障害厚生年金

障害厚生年金は、一般の会社員などが加入する厚生年金の期間中に病気やケガによって障害の状態になった場合(初診日がある)に受給できる年金です。

以下のような場合にこの年金をもらえます。

初診日において、一般の会社員などが加入する厚生年金の被保険者であった場合


3.障害共済年金

障害共済年金は、公務員などが加入する共済組合の組合員期間中初診日がある病気やケガによって障害の状態になった場合に受給できる年金です。

以下のような場合にこの年金をもらえます。

初診日において、公務員などが加入する共済組合の組合員であった場合


◍特別障害者手当

特別障害者手当は、精神又は身体に著しい重度の障害があることが理由となって、日常生活するにあたって常に特別の介護が必要である20歳以上の在宅障害者に支給される手当です。

この特別障害者手当は、障害年金より比較的受給することが容易な手当てになります

(1)手当金

月額26,260円(平成25年4月現在)

手当てについては、認定されると申請日の翌月分から毎月支給となります。

2・5・8・11月に前月分までの手当を支給します。


(2)前提条件

申請日現在、満20歳以上であること

施設に入所していないこと

3か月以上病院等に入院していないこと

毎年の所得が設定された基準以下であること

※詳しい基準については、お住いの市区町村窓口にお問い合わせ下さい。


(3)対象者

日常生活において、常時特別の介護を必要する状態で、基準一覧の障害が2つ以上あるか、それと同等以上の状態の方

身体障害者手帳1・2級程度の異なる障害が重複している方

身体障害者手帳1・2級程度の障害及び重度知的障害(知能指数20以下)が重複している方

精神障害、血液疾患、肝臓疾患、その他疾患により、以下のことがほとんど1人ではできず、日常生活に支障をきたしている方

食事,用便(月経)の始末,衣服の脱着,簡単な買い物,家族との会話,家族以外との会話,戸外での危険から身を守る(交通事故),刃物・火の危険の認知


(4)基準

両目の視力の和が0.04以下のもの(矯正視力による)

両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

両上肢の機能に著しい障害を有するもの、又は両上肢のすべての指を欠くもの、もしくは両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの

両下肢の機能に著しい障害を有するもの又は両下肢を足関節以上で欠くもの

体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの

1~5のほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が①~⑤と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

精神の障害であって、1~6と同程度以上と認められる程度のもの

障害年金の基礎知識についての詳細はこちら


◍障害の認定方法

障害年金の請求書が提出された後、年金を受給するための要件である「加入要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」が満たされているか否かの審査を行政が行います。

具体的には、市区町村の国民年金課、あるいは年金事務所での確認となります。

そして、年金を受給するために必要な資格があるかどうかを認定医が判断します。

20歳前の初診と国民年金加入中の初診によるものは都道府県ごとに行い、厚生年金加入中の初診によるものは日本年金機構で一括して行います。

都道府県ごとの裁定は「地方裁定」、日本年金機構によるものは「中央裁定」といいます。

認定医についても、地方裁定の場合は各都道府県に、中央裁定の場合は日本年金機構に委嘱されています。

障害の認定は、疾病ごとではなく障害ごとに障害認定の基準にあてはめて、その等級を決定することになっています。

なお、審査は診断書などの資料を見て客観的に判断されます。


◍請求時の注意点

請求の際に注意いただきたいことが2点あります。

重要なため、最後までお読みになることをお勧めします。


1. 「初診日」に加入していた年金制度の確認

障害年金の請求では、「初診日」に年金制度に加入していたのか、またどの年金制度に加入中であったのか、に注意しなければなりません。

なぜならば初診日に、年金制度に未加入であった場合、請求そのものができないからです。

さらに初診日に加入していた年金の種類により、受給できる障害年金の種類も変わってくることがあります。

初診日が国民年金加入中あった場合には、障害等級が1級または2級に該当しないと受給できません。

それに対して厚生年金加入中であった場合には、1級、2級、3級に該当すれば受給できることがあります。また障害手当金に該当する場合もあります。国民年金加入中よりも受給できる可能性が広がります。


2.請求方法の選択

また請求については、認定日を初診日から「1年6ヶ月経過時」にして請求した場合、年金はさかのぼって受給できるため、年金額が多くなります。

それに対して「事後重症」で請求した場合は、請求したときが認定日となり、そこから将来に向かってのみ受給できます。1年6ヶ月経過時請求とは異なり、さかのぼって年金を受給することができなくなるため、注意が必要です。




◍障害年金が受けられる条件


①初診日要件
②保険料納付要件
③障害要件が問われます。


①初診日要件
初診日にいずれかの年金制度に加入していたこと。
ただし、初診日が20歳より前である場合は国民年金に加入していたものとみなします。


②保険料納付要件
初診日の時点で保険料をきちんと納めていること。
お勤めの方(厚生年金、共済年金の対象の方)は会社・職場が手続きしているのでまず問題ありませんが、国民年金の方はご自分で保険料を納めていたか、が問われます。

③障害要件
初診日から1年6ヶ月たった日(一部の障害は症状が固まった日)に障害の程度に当てはまること(国民年金は1、2級、厚生年金は1~3級)。
基本的に障害等級表のどこにあてはまるかで決まりますが、測定可能な検査値で決まるものではなく、日常生活の活動にどの程度支障が出ているかも含めて「総合的に判断」されます。
また、障害認定日に障害が軽い場合でも、その後重くなったときに障害年金を受けられるようになる事があります。

LINK🔗

0コメント

  • 1000 / 1000